大判例

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東京高等裁判所 昭和56年(ネ)351号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

控訴人が昭和五五年三月二四日ごろ水戸地方検察庁に赴き、告訴をしたいと申し出で、同庁検務第一課長がその応待に当つたことは、当事者間に争いがない。

ところで、告訴は、犯罪の被害者が検察官または司法警察員に対し犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思表示であるから、いまだ犯罪事実とはいいがたいような事実の申告があつた場合には、これを告訴として取り扱わなければならないものではない。控訴人は、その原審における供述によれば、右検務第一課長に対し、同月一九日施行の岩瀬町町議員選挙の際、選挙人名簿に記載された控訴人の投票区が本来の投票区でない別の投票区となつており、これは公文書偽造行使に当るから、同町の管理者である町長を告訴したい旨申し出たというのであり、他に右申出の内容を認むべき証拠はない。しかし、このように選挙人名簿の投票区の記載に誤まりがあつたというだけでは、いまだ公文書偽造行使その他の犯罪事実の申告ということはできないことが明らかであるから、右検務第一課長が控訴人の右申出を告訴として取り扱わなかつたとしても、これを違法な職務の執行であるとすることはできず、控訴人の主張は失当というほかない。

(小林信次 平田浩 浦野雄幸)

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